私は色々な土地に住んだことがあり、自分では千葉県をそんなに意識しないでも大丈夫だった。少なくとも三十歳くらいまでは。例えば、仕事の関係で九州にずっと住まなくてはならなくなっても、どうってことないと思ってた。でも、一旦都内で暮らしていて、行徳(千葉県)に住んでから、やはり故郷の木更津から離れられないというのがなんとなく分かってきた。そもそも行徳に住んだのも、都内よりも家賃が安いからという理由ではあったものの、でも、木更津に近いから(都内よりも)、というのが大きな理由だった。
私の知人、友人には、例えば関西出身なのに、終の住まいをベイタウンに選んだ人もいれば、海外に渡航して、既にあちらの永住権を取得し、骨を外国に埋める決心をした人もいる。Idetsukaさんが今回九州に引っ越すのももちろん永住を決意したからで、元々は老後には海外に渡ると話していたので、驚くことではないけれど、でも、そうやって、これまでいた土地をあっさり捨てて(という言い方は本来違うかもしれないが)、見知らぬ土地に住んでしまうというのが、私にしてみると凄いことなのである。
土地に縛られる人は農耕民族で、土地に縛られない人は狩猟民族とか、そういう括りじゃなくて、いったい私のように千葉に執着しているのは、心理学的にはどういうことなんだろう。あんまりかっこいいもんではないことは確かだ。グローバルの反対か。客観的に見ても、あっさりと引越しが出来る人のほうがかっこいい。千葉に拘って、どんどん行動半径を小さくしている私は、なんとケツの穴の小さい人間なのだろうか。(そういう表現はだめ?)
ただ、千葉が大好きかっていうと、そうでもない。気候的なもの、海があること、適度に田舎ということなどで、好きな要素はたくさんあるけれど、海ならば伊豆のほうが好きだし、自然の豊富さ、素朴さは他県に劣ると思っている。現在住んでいるベイタウンも埋立地で突如出現した都会的な空間で、かっこいいけど、でも神戸とか横浜に比べるとダサい。それでも何故、千葉に執着しているのだろう。その答えは、そう急ぐ理由も無いので、この先じっくり考えてみよう。
それ以前に、女の人って昔からエンもユカリも無い土地に嫁ぐってのは、まあ当たり前で、しかも、元々他人だった苗字まで名乗ってるわけだ。それって凄いよね。
2008.8.21
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